杢保小児科医院(小児科・アレルギー科・予防接種) 〒762-0082 香川県丸亀市飯山町川原972-1 TEL:0877-98-2010
- 食物アレルギー:現在の考え方
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***考え方が変わりました***
2000年には、アレルギー性の高い牛乳・卵・魚・ピーナッツなどの食品は、乳児期早期の開始時期を遅らせるように言われていました。ところが、2008年にはこれらを全面的に撤回し、離乳食の導入の時期を遅らせても発症を予防する根拠は無いと改めました。これは、アレルギーの体質がある方も同様です。
今ではアレルギーになるのは皮膚からアレルギーの原因が侵入して起こる可能性が高く、その逆に口から入る事でアレルギーが緩和されていくと考えられています。
***理由***
ひとつはイスラエルでの事。イスラエルは離乳期よりピーナッツ製品の摂取が普通に行われている国ですが、そのなかでイギリスに移住して離乳期にほとんどピーナツを食べなかった子どもとイスラエルにいてどんどん食べた子どもを比較したところ、食べていた方がピーナッツアレルギーの発症は少なく10分の1だったのです。
もうひとつ、最近、化粧品や石鹸を使った人が小麦アレルギーになる事件がおこりました。石鹸の中に含まれていた加水分解小麦が原因でした。石鹸で顔を洗う事で皮膚や粘膜から小麦成分が体の中に入りアレルギーになったと考えられています。
この2つの事から、口から入る事よりも皮膚から入る事の方が問題だと考えられるようになりました。
***赤ちゃんのアレルギーの予防***
予防のためにはアレルギーの元が皮膚から入り込まないようにすることが大切です。
湿疹があれば積極的に治療をし、その上保護のために保湿剤を塗ってバリア機能を強化します。離乳食は遅らせる事無く開始し、アレルギーが心配な物も食べる事を遅らせないようにしましょう。
***お母さんの妊娠中や、母乳の場合***
お母さんは偏り無く何でも食べるようにしましょう。
***注意する事***
食べる事で調子悪くなる時には、食べるのをやめて医師に相談しましょう。
食物アレルギーの認識は、今後も変わっていく可能性がありますが、現在ではこう言われています。